■ キャノンボール・ボサノバ ■
キャノンボール・アダレイ
いきなり得意のバラードで来ますが、まずこれにノックアウトされます。流れ行く雲に問いかける様な " せつなく、はかない " 印象のメロディーでいつまでも心に残ります。タイトルも今をときめく「クラウド」!。2曲目にきて一転、「ミーニャ・サウダージ " 私の想い " 」 。哀愁のある理解しやすいメロディーですがここではタイトルの印象と違ってとても派手で明るい、にぎやかなサンバに仕上がっています。#3「コルコバード」。誰もが知るアントニオ・カルロス・ジョビンの名曲をアダレイはかみ締めるようにゆっくりと鳴らしています。#4「バティーダ・ディフェレンテス」。ここでまた派手にサンバが流れます。そして#5「ジョイスのサンバ」。再びバラードですが、軽快に明るく鳴らしています。#4 #5 これら2曲についてはいずれもボサ・ノヴァでは有名曲で他のバージョンも聴く機会があるかもしれません。#6「グルーヴィー・サンバ」。セルジオ・メンデス作の都会的でブルージーでカッコ良いブルース・サンバです。#7、「オ・アモール・エン・パス " 平和な愛 " 」。ジョビン、モライス、ジルベルトの3人がかりの作。濃密なスローバラードでボサ・ノヴァならではの雰囲気かもし出しています。#8、「サンバップス」。サンバとバップを合わせた " 造語 " らしいですがいかにも、と言った感じのド派手系のアップテンポ鳴らしまくりで楽しそうです。結局のところアルバムの構成としては明るいアップテンポと緩やかなバラードの交互編成で単純な仕組みですが、退屈させません。個人的にも数少ない愛聴盤の一枚です。なお、手元の盤は「コルコバード」と「クラウド」のアルタネートテイクの2曲ボーナストラック付ですが、聞き比べてみるとかなり違う演奏していて当盤をお勧めします。
ピアノのセルジオ・メンデス率いる「ボサ・リオ・セクステット・オブ・ブラジル」は本場のテイストしっかりかもし出して、アダレイの作りたかった更に新しいボサ・ノヴァの世界を創造しています。当時は大ヒットした盤だそうです。

